ジブリ本。仕事道楽―スタジオジブリの現場 by 鈴木敏夫

ジブリ本。仕事道楽―スタジオジブリの現場 by 鈴木敏夫

 

先日ご紹介した、

『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』に引き続き、

ジブリ鈴木敏夫さんの著書

「仕事道楽―スタジオジブリの現場」を

ご紹介します。

 

鈴木さんが編集者だったころ、

アニメージュを創刊したことをきっかけに

高畑勲さん、宮崎駿さんと出会います。

 

そして、彼らとともに作品を作り

ジブリを創設し、大ヒット作品を

生みつづけるに至るまで。

 

仕事を「道楽」と捉える

鈴木さんならではの視点で

さまざまな制作エピソードや仕事ぶりが

軽快に語られています。

 

「こんな風に働きたい!」と思う

私のバイブルの一冊でもあります。

 

インタビュー形式で語られたものを

書き起こしているためか、

文章から鈴木さんの語り口調が

にじみ出ています。

 

独特でありながら

とても分かりやすく、

情景が目に浮かぶように

スルスル読めます。

 

「道楽」というと、

なにか「楽をしている」ように

聞こえるかもしれませんが、

実はまったく違います。

 

宮崎さんも高畑さんも、

そして鈴木さんも、こわいぐらいに

徹底したエンターテナーです。

 

じゃぁ、どうゆうこと?

 

っていうのは、

ぜひこの本を読んで、

追求してみて欲しいです。

 

鈴木さんは、

ワーカホリックでもないし、

トップダウン的ワンマンでもない。

 

常に人のことを考えていて、

ファシリテイトしている。

 

自分のことなんて、

あとのあとの、ずーっと、あとまわし。

 

 

だから、

鈴木さんが語っているけれど、

この本には、鈴木さん自身のことは

あまり書かれていません。

 

鈴木さんが

一緒に仕事をしている方々のことが

たくさん語られています。

 

不思議なのは、

それがぜんぜん自己犠牲的じゃない。

 

恩着せがましくもないし、

ときに計算はしているけれど、

周りにちゃんと文句を言わせるスキを与えていて

ぜんぜん自分勝手じゃなくて、

むしろ楽しんでいるんです。

 

 

自分のことを横に置きながら、

ここまで楽しく言いたいことを言って

仕事できるというバランスが

本当に素晴らしいと思うのです。

 

 

鈴木さんの思想を、

清く美しく研ぎすませていったものが

カーネギーの「人を動かす」だと

私は思っています。

 

鈴木さんは、

人に重要感を与えるのがとても上手いし、

とてもよく人の話(特に宮崎さんの話)を

よぉ〜く聞いてらっしゃるし。

 

 

どうしてこんなに

ヒョウヒョウと、そして楽しげに、

こんなに厳しい仕事を成し遂げられるのか。

 

私なりに思う、その答えも、

この本の中にあるように思います。

 

 

ヒントは、第6章タイトル。

『人間、重いものを背負って生きてくもんだ』

 

 

そういう働き方は理想だけど、

実際はそんなに上手くいかない。

 

ああゆう職種だからできること。

 

私がこの本の話をすると

そんなふうに反論する人もいます。

 

だけどそれはもしかしたら、

逆なのかもしれませんよ。

 

甘くない世の中で、

どこまで大きなものを背負えるか。

 

その覚悟をした者だけが

あの境地にたどり着けるのかも

しれません。

 

少なくとも私は、

そんな気がしています。

 

たどり着くには、

まだまだ、長い道のりだけど。

 

さて、最後に。

 

そんな、

人のことばかり語っている

鈴木さん自身のことを、

書いてくれた人がいます。

 

鈴木さんの元部下、石井朋彦さん。

 

『自分を捨てる仕事術―鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド』

です。

 

私のレビューはこちら。(アップ次第、リンクします)

 

鈴木さんとは

雰囲気もキャラクターも

まったく違うのですが。

 

鈴木さんの哲学を継承して、

自分のことより、鈴木さんのこと

ばっかり書いてます。笑

 

私は、

何年も鈴木さんの本やラジオを聴いて

鈴木さんを熟知していると

思っていました。

 

でもこの本を読んで

新たに知ったことがたくさんあり

いかに鈴木さんがご自身のことを

語ってきて「いない」かを知りました。

 

その徹底ぶりは、

本当に凄いなぁと、あらためて感心。

 

ジブリがどうして、

世間にここまで大きな影響を

与えられるようになったのか。

 

そういうことも、

こういった哲学の中に

ヒントがあるのだと思います。

 

私も、

音楽を作り、人前で唄う人間として

そして、一人の働く人間として。

 

まだまだ、学ぶことが

たくさんある人生です。