敬愛するクイーン、アレサ・フランクリンへ。We love you, we RESPECT you forever, Aretha.

敬愛するクイーン、アレサ・フランクリンへ。We love you, we RESPECT you forever, Aretha.

ソウルの女王アレサ・フランクリンが危篤というニュースが届いた。

生きているうちに彼女への想いを残したい。

そう思い、この記事を書いている。

 

憧れのアーティストをこの世から失うことの深い悲しみを何度か経験してきた。

レイやマイケル、ホイットニーやプリンスなど。

その喪失感を深く味わってしまうと、もう二度と「同じ時を生きている」という感覚を味わうことはできない。

喪失感はやがて小さくなり、彼らの音楽は心の中で生き続ける。

音楽は死なない。歓びになる。

彼らの存在は「音楽」そのものとなり、無限大に広がっていく。

だがやはり同じ人間として生きていたころの存在感とは全く別のものになるのだ。

 

だからこそ、クイーンと同じ時代を生きる歓びを感じられる今、アレサへの思いを綴っておきたいと思った。

 

アレサ・フランクリンはクイーン・オブ・ソウルとしていつも変わらない存在感をこの世で示し続けてくれている。

どんなときも、どんな歌を歌っても、彼女への評価が変わることなどない。

アレサが歌えばどんな曲も、深い深い魂の叫びになる。

 

ソウルの歴史に名を残すレジェンドは他にも多くいる。

だがどんなレジェンドにも音楽や歌以外に何か1つぐらいはプライベートな逸話や話題になった発言などがあるものだ。

私の5大レジェンドでいうと、レイ・チャールズには女性関係やドラッグ問題があった。

スティーヴィーはレコード会社との契約でプロデュース権を得るなどビジネスの手腕を発揮した。

ダニーはとても繊細な心の持ち主だったゆえに自ら命を断ってしまった。

そして時代はちょっとあとになるが、マイケルなんて本当に色々あった。

同時代にサザン・ソウルで活躍したオーティス・レディングやサム・クックなどにも色んな逸話がある。

 

レジェンドたるもの、そういった色んな生きザマを含めてレジェンドだったりするのだが、アレサは違う。

アレサ・フランクリンはどんな時もソウル・シンガーでありクイーン・オブ・ソウルでしかない。

人々がアレサのことを話すとき、それは彼女の歌や声のこと以外ではあり得ない。

彼女の生きザマはすべてソウル・ミュージックの中で表現されてきた。

アレサの音楽は、アレサそのものなのだ。

それほどまでにアレサの歌は特別であり、他に何も語る必要がないほど素晴らしい。

歌だけでここまでブレない評価を残し続けたアーティストは本当に他にはいない。

眩しいほどに歌一本で生きてきた。

そういう彼女の人生だと思う。

 

彼女の歌を初めて聞いたのはブルース・ブラザースのDVDだった。

歌うたびに別の歌いまわしをしてしまい編集泣かせのクイーンぶりを見せつけたというアレサの「Think」。

まだソウルを聴き始めたばかりだった私は、その突き抜けた完成ぶりと迫力にとにかく唖然としたことを今でも覚えている。

そしてその後「Think」は私の中でアレサナンバーワン曲として、またソウルミュージックのバイブル的存在として輝き続けている。

 

2015年Kennedy Center Honorsでの歴史的パフォーマンスがまだ記憶に新しいNatural Woman。

実は本気でボーカルトレーニングを始めてから初めて人前でプロ意識をもって歌った思い入れの深い曲だ。

当時ハイキーの発声に悩んでいて、この曲のサビの一番高い音は他の曲ではとうてい出すことができなかった。

※それでもアレサよりはだいぶキーを下げていたが

だが何故かこの曲だけは不思議いつもスムーズに歌えたのだ。

それは恐らくアレサのどこまでも深く遠く伸びていく声がお手本だったからだと思う。

Natural Womanというタイトルの通り、自分がありのまま、ただ魂の叫びとして歌を歌う。

そういう本当の「ソウル」をアレサから教わった最初の曲だった。

 

Say A Little Prayerを聴いたときの衝撃も忘れることができない。

この曲はAメロのメロディとコーラス、サビの3つしかフレーズがない。

その3つをひたすら繰り返すというのがこの曲の構成だ。

こんな単純な曲が前半のささやくような「prayer = 祈り」から後半に向かってどんどん広がりを見せていく。

エンディング前には目の前に広い広い草原すら目に浮かんでくる。

この曲をこんなに壮大に展開させて歌うことは、ズバ抜けた包容力のある彼女にしかできない。

 

まだまだ好きな曲はたくさんある。

好きなパフォーマンスだってたくさんある。

言い出したらキリがない。

 

アレサの歌の凄さは、どんなに難しいこともいとも簡単そうにやり遂げてしまうところだ。それに尽きる。

歌声は力強いし、やってることはとてつもなくスゴいが、奇をてらうようなことなど何もないのだ。

技術を見せびらかすようなこともない。

ただ、心の底から音楽に従って歌っているだけ。

音楽がリードする中で、それを追いかけるようにどんどん押し上げていく。

そして気がつくとまっすぐ突き抜けるがごとく、音楽のど真ん中を縦横無尽にかけめぐっている。

そんなボーカルが彼女の魅力だ。

クセがないながらも、どこまでも心に響くその深み。

あんなにピュアでまっすぐな声なのに、どうしてこんなに人の心に深く深く響くのか。

理屈では理解できないほどに、ただ感動するのだ。

神の遣いかのようにどこか輝かしい場所に導いてくれるその声。

そんな声を、いつまでもいつまでも、忘れることはない。

 

敬愛するクイーン、アレサ・フランクリンへ。

 

この世に生まれレディ・ソウルとしての人生をまっとうしてくれていることに心から感謝します。

あなたの人生は、ソウルそのものです。

あなたのその声は、ソウル・ミュージックのお手本です。

そしてその声は、いつでもいつまでも私たちの心の中にあります。

どんなときも鮮明にその声を思い浮かべ、心で聴くことができます。

 

あなたがいなければ、ソウル・ミュージックはここまで発展しなかったでしょう。

あなたがいなければ、後世のレディ・ソウルたちがここまで活躍することはなかったでしょう。

 

あなたの人生に、あなたのソウルに、心からの敬意と感謝を送ります。

 

あなたと同じ時代を生きていられる時間は、おそらくもうあまりないのだと思います。

私たちがあなたの身体をこの世から失うときが来たのなら、それは受け入れます。

本当は嫌なんです。本当は考えたくないんです。

だけど、音楽は死なないから。

だからきっと大丈夫だとは思ってるんです。

あなたという存在が永遠になっていく瞬間を、ただ見守るだけのことだから。

 

それでもあなたが生きているうちに、こうして気持ちを伝えるチャンスをくださった神様に感謝します。

あなたと同じ時代を生きられる歓びと、あなたの音楽。

その2つを同時に感じることのできる最後の時間を深く深く味わっています。

 

あなたから教わったソウルの心。

日本に生まれたレディ・ソウルの端くれとして、そのソウルを少しでも多くの人たちに伝えていくと約束します。

 

あなたのソウルと歌声は、いつまでも私たちの心に、そして魂に、永遠に生き続けます。

そして何より今、あなたの心が安らかであることを心から祈ってます。