CrazySexyCool クレイジー・セクシー・クール/TLC 

CrazySexyCool クレイジー・セクシー・クール/TLC 

TLCが築いたもの。

それは音楽ではなく、文化である。

CrazySexyCool クレイジー・セクシー・クール / TLC

TLCが教えてくれた生き方

TLCがくれたのは音楽だけじゃない。

新しくてカッコいい女の子の生き方を世界中のガールズに教えてくれた。

Crazyでいい。

Sexyでいい。

Coolでいい。

思いっきり自分でいればいい。

ラッパーのレッドアイが事故で亡くなって伝説になったガールズグループTLCの大出世作。

今でもこの赤いジャケットみると胸がキューンとする。

低くてカッコいいティー・ボズの声と、伸びやかで媚びないチリの声、そしてまくしたてるようなレッドアイのラップ。

このバランスがTLC。

3人が踊れば、空気が騒ぐ。

3人が踊れば、社会が動く。

このCrazySexyCoolは彼女たちを一気にスターダムに押し上げた。

その大きなポイントとなったのが、なんといっても名作 Waterfallsの存在だ。

私自身もこの曲にどれだけ救われてきたことか分からない。

Waterfalls

音楽的なカッコよさだけでなく社会的なメッセージを込めたことでTLCの社会における存在を一段上にあげてくれた名曲中の名曲。

イントロを聴いただけでも言いようのない安心感に包まれる。

こんなにカッコいいのになんでこんなに包容力があるのか。

彼女たちの示してくれた自由が、私達の心を開放してくれるのかもしれない。

 

そしてこの曲のベース。

裏メロディと言っていいほど渋いラインをひた走り、この曲をいっそう深みのあるものにしている。

 

個人的なことだが、この曲はいつも自分の曲づくりの指針にしている曲のひとつ。

サウンドとかコードがどうというよりも、この曲の放つフレイバー。

強くて柔らかくて、優しいけど媚びてない。

それこそが私の目ざすカッコいい大人のスタイルでもあり、それが音になったのがこのWaterfallsという気がしている。

 

最近アメリカで人気のオーディション番組ザ・ヴォイスでアリシア・キーズ含む4人のコーチ陣がカバーしたバージョンがある。

原曲とまったく違う雰囲気ながら素晴らしいのでシェアしておく。

Creep

この曲で印象的なのがイントロ。

同じ音が2回鳴るだけなのになぜにこんなにカッコいいのか。

答えは(言うんかい)ベースが動いてるのにホーンとピアノの音は動かないからだ。

ホーンやピアノが漂うような「フロウ」感を出しながらも、ベースの動きが広がりを持たせてくれている。

もっと専門的に言えばホーンの音とベースの度数の関係みたいのが色々あるが、シンプルに説明すればそういうことだ。

 

ベースが動くのに、ホーンが動かない。

アクセク動く人とドッシリ構えている人。

そういうことだ。(雰囲気でわかってほしい)

 

とにかくこのイントロ本当に大好きだ。

いつかサンプルに使いたい。

すでに多くのアーティストたちが、サンプルしているのでそういったサンプル曲をたどっていくのもおもしろいかもしれない。

Red Light Special

100万回ぐらい聴いたのではないかと思う。

バラードだし、セクシーだけど媚びてないから決してエロすぎない(解釈によるかもしれないが)

 

この曲はベビーフェイスがプロデュースしている。

コード進行や音の積み方がザ・ベビーフェイスといった感じで進行はツーファイブやセカンダリードミナントの使い方がハンパなくカッコいい。

ベビーフェイスの曲聴くといつも思うのがベースと上モノ(キーボードやギター)のバランスがめちゃくちゃ秀逸だということだ。

上モノやメロディのラインが上昇するときはベースは下降する。あるいはその反対。

上モノがステイのときはベースが動く。メロディが動くときはバッキングはフロウする。

そうやっていつも全体でバランスを取りながらも、それぞれがそれぞれの「メロディ」を奏でている。

まさに多様性を認め合いながら1つの方向に向かっている理想の音楽のカタチだ。

 

アンサンブルにおいて全員が「合わせる」ことばかり考えるのは当たり前だが単純すぎる。

だがそれぞれがまったく好きなように奏でてもバラバラになる。

要はメリハリとバランスがキーになる。

そういったバランスは頭で計算してもダメだし、もちろんテキトウにやってもうまくいかない。

ディテールにはこだわるが、常に全体図を見ておく必要もある。

感覚はまずはとにかくたくさんの良質な音楽をジャンルを問わず聴き続けることで養っていくしかない。

そして色々と細かく積み上げていって最後に引き算していく勇気。ではないかと私は思っている。

ベビーフェイスの曲を聴いているとそういったことを深く感じ、学び取ろうとする自分がいる。

 

話は逸れたが、そんなこんなの伝説の名盤がこのクレイジー・セクシー・クール。

いつ聴いても色褪せない名アルバムというだけでなく、今の時代を生きる指針として。

あなたの棚にも1枚置いておいてほしい。