ジブリの月刊誌「熱風」のバックナンバー2016年8月号「広告と宣伝」特集が面白くてたまらない。
ちょうど「ジブリ大博覧会」が東京であったころに発売している号。
USJをマーケティングでV字回復させ、ベストセラーの本もたいへん面白かったスーパーマーケター森岡毅さんのロングインタビューなど、たいへんたいへん興味深い記事ばかり。
これを読んで一気に、WEBにとどまらない本格的なマーケティングを学びたいという熱までフツフツと湧いてきている。
そもそも私がジブリが好きな大きな要因の1つに、そのマーケティングの素晴らしさがある。
「マーケティングだったんだ」と気づいたのはごく最近だが、表現者として宮崎さんを尊敬しながらも鈴木さんの仕事に興味津々だったことを考えれば、そういうことだ。
ただしジブリのマーケティングには「マーケティング」という枠にとどまらないというさらなる面白さがある。
そういう意味では、ジブリの思想や文化が大好きだというのが私の結論ではある。
だが、だからこそ彼らのマーケティング手法も常に勉強になるし素晴らしい。
そんなわけでとにかくこの「熱風」2016年8月号、そんな大好きなジブリのマーケティング特集だから、楽しくないわけない。
内容については、ちゃんと記事にしてアップする予定だから楽しみにしていてほしい。
それにしても最近、自分がいかにマーケティングというものに興味をもっているかを再確認している。
「広告のキャッチコピー分析」を卒論テーマに選んだぐらいだから、大学のころにはもううっすらと興味は見せていた。
だが当時の私は、それを「言語」への興味だと思いこんでいた。
じっさい私は「言語」が大好きだ。だから書くのも好きだし、英語も独学でマスターしたほど「言葉の魅力」に夢中だ。
しかし、どうやらそれだけではなかったようだ。
私が魅了されているのは「言語の素晴らしさ」だけではなく「言葉で人の心を動かすこと」だったのだ。
それがすなわちライティングであり、大義においてはマーケティングということになる。
今なぜか2つのWEBメディアを同時に立ち上げようとして、日々WEBマーケティングについて学び実践している。
色んなことをすべてゼロから組み立てていかなければならず、過去に経験もない中ヒーヒー言っているのが正直なところ。
だが今までの仕事では感じたことのない、そこはかとない充実感がある。
自分のやったことで、人の心が動く。
それは決していコントロールするのではなく「人の心が自然と動くものを提供する努力をおこたらない」ということ。
同じ人間として、人の心のキレイな部分に焦点を合わせてそれを引き出そうという作業は、そこはかとなく美しいものだ。
私はいつも、このサイトを読んでくれた人の心がフワっと動いてくれる瞬間を夢見ているのだ。
じつは音楽で人を動かすことも、また同じことだということに気づいた。
こちらはエンターテイメントという括りだが、実はマーケティング手法としても使われるわけだから、背理一体ともいうべきか。
ただし音楽においては、私はクリエイター。
だから、作ることへの考え方は違う。売ることよりいいモノを作りたいと願う。
考えて実行するというより、感じて実行する。
だがそれでも気持ちの向かう方向、つまり人の心が動く瞬間を作りたいという願いは同じだったりする。
その音楽を聴いた人の心が、ググッと動いてくれる美しい瞬間を夢見ているのだ。
さてそんな2つの側面をもった自分の本質は、一体どちらなのだろうと考えてみる。
クリエイターとしての仕事は、やっている本人も癒やされる。
マーケターとしての仕事は、やっている本人は、やや疲れる。
そう考えると、私の本質はやはりクリエイターでありアーティストなのかなというのが、今の見立てだ。
だが実際のところはそのどちらでもあり、どちらか一方だということはないのかもしれないとも思う。
一人の人間の生業が、ひとつである必要なんてない。
ひとつじゃなきゃダメという、そういう時代でもない。
そんなことも、感じる日々。
自分のことなんて、自分が一番よくわかってないもんだから。
明日にはぜんぶ忘れて、違うことしてるかもしれない。
だけど少なくとも今日の私は、そんなことを思いながらマーケティングと「熱風」に夢中になっている。