Let’s leap. 歌詞とオリジナル曲のこと。

Let’s leap. 歌詞とオリジナル曲のこと。

これまで曲をつくるとき、あまり歌詞を重視してこなかったように思う。

 

音楽至上主義。

良くも悪くも。

 

音楽の素晴らしさの前では、言葉なんてちっぽけで。

 

だけど便宜上、歌には言葉が必要だから、メロディに合う言葉を探してきてはめ込んでいく。

と口では言いつつ、「伝えたいこと」をしっかり歌詞に盛り込んでいた。

 

重視していない「フリ」をしていただけだったのだ。

照れてただけなんだと思う。

 

歌詞なんてどうでもいいよね。

音がカッコよければ、俺たちそれでいいよね。

そういう世界にいた。

 

みぃんな、カッコつけて、カッコ悪いと思われることを怖がっていた。

 

自分の想いを言葉にするなんて、マイワールドを聴かせるなんて、なんか恥ずかしいしダサいよね。

自分を表現することから逃げて、さらけ出すことを怖がって、そうやってかばい合っていた。

 

だが今はそういう気持ちはない。

言葉で伝えることは大切だ。

 

確かに、マイワールドに浸って自己満足になるのは違う。

だがけっきょく、リスナーは歌詞をとおして音楽の世界観を理解し、心を動かしてくれるのだ。

 

音楽と言葉。その2つは切っても切れないもの。

たがいに響き合ってこそ、初めていい音楽、そしていい歌になる。

 

別に、自分の想いを布教したいとか、そんな気持ちはこれっぽっちもないけれど。

 

音楽に魂を存在させたいのなら、心から感じていること、心からの「想い」を言葉にのせる。

メロディに想いをのせるのと、同じように。

 

自分自身を表現し、伝えたいことを、伝える。

それこそが、自分にとっての音楽なのだと今はわかる。

 

表現とは、自分自身でしかないのだから。

 

そんなことを考えていたら、ふと自分のオリジナル曲「You’ll See」の歌詞を思い出した。

Some people say you’ve got to have no insecurity.
危ない橋を渡るなって言う人もいる

Some people say you’d better do kinda what they want to do
ちゃんと言うことを聞けって言う人もいる

But I bet you know the way you love, way you live
でも君は 愛し方も生き方も わかってるよね

So you can take a leap
だから ただ 跳べばいいんだよ

 

自分の曲もけっきょく、歌というより歌詞を思い出すんだなと思いながら。

この歌詞けっこういいなと自画自賛したくなる自分。

 

この歌詞を書く少し前、たまたまある海外ドラマを見て”leap”(リープ)という単語を知った。

 

いろんな障害があってずっと気持ちを抑えてきた男女が、もうシガラミなんてぜんぶ跳び越えて一緒になろう。

そのときに言ったセリフ。

Let’s just leap!

そうして2人は、キスをして結ばれる。

 

このleapという単語の持つ、軽やかでキラキラしたイメージがとても印象に残り、いつかどこかで歌詞に使えたらとメモをした。

いや。メモをしなくても覚えてしまった。

 

こんなにカンタンなのに、学校や受験で習った覚えのない単語。

 

私の歌詞では、恋愛よりもっと広義な「生きること」において「もっとLeapしていいんだ」と使った。

 

正直にいう。

当時は、新しく知った単語をただ使いたかっただけだった。

 

歌詞にこだわっている余裕もなかったから、だいたい意味の通るように仕上げていったというぐらいしか、表面上の気持ちはなかった。

 

だが今になって読み返すと、なかなか良いことをいっていると自画自賛できる。

 

実際この曲には、いつも救われている。

唄っても唄ってなくても、いつも私のそばにいてくれる曲だ。

 

公に発表した初めてのオリジナル曲だった。

そのせいか、私がそれまで長年かかえていた潜在的な心情が、ほんとうにたくさん反映されている。

歌詞に凝ってなかったからこそ、純粋に表現できた部分もあったのかもしれない。

 

聞く度に、思い出す度に、いろんなことに気づかされ、勇気づけられ、そして力をもらう。

 

実はオリジナルの中では、むしろ思い入れが低いほうだったのだが。

今では、あらたなステップを踏み出すときには、いつもいつもこの曲に立ち戻る自分がいる。

 

今、また新しいアイデアを蓄えた自分で新しいアレンジを作ってみようか。

そうやってまた、この曲に向かう日々。