オシャレソウル代表格 Maxwell/マックスウェルのアーバン・ハング・スイート。

オシャレソウル代表格 Maxwell/マックスウェルのアーバン・ハング・スイート。

ネオソウルの立役者の一人、マックスウェルの1996年に発売した鮮烈デビューアルバム。

Maxwell’s Urban Hang Suite / Maxwell アーバン・ハング・スイート/マックスウェル

とにかく洗練された、超超超オシャレなアルバムだが、同じくネオソウルの立役者であるエリック・ベネイほどに甘すぎず、スイートな曲もあればファンキーな曲もあり、音の輪郭がけっこうハッキリしていて、生楽器のリアリティをとても大切にしている。

とにかく秀逸なアレンジと、素晴らしい声

マックスウェルの曲は、どの曲もアレンジが本当に秀逸だ。

ひとつひとつの楽器の役割がめちゃくちゃクリアで、何かひとつでも欠けたら成立しないし、そのどれもが唯一無二の存在感を出し合ってひとつの音楽を奏でている。

つねに生楽器のよさを最大限に活かそうとしているところが彼がネオソウルの立役者と言われる所以であり、もっとも素晴らしい彼の音楽の特性でもある。

それに加えてあのスイートな声だから、もうたまらない。

これだけフロウな雰囲気ありながらもしっかりグルーヴィーでソウルフルな彼の音楽は、まるで海辺に吹く風のように涼しげで力強い。

海沿いドライブデートに、ぜひオススメしたい1枚。

そして何といってもこの曲だけは紹介しなければならない。

リオン・ウェアとの共作ヒット “Sumthin’ Sumthin'”

今聴いても、サウンドがまったく色あせない、このアルバムからの代表曲。

彼の存在感を不動のものにしたヒット曲。

オシャレでスムースでありながら、ファンキーでグルーヴィー。いつ聴いても完璧。

イントロのドラムフィルインの時点でもうカッコいいのに、さらにエッジの効いたベースに、最小限で最大の効果をもたらしてるギターのカッティング。もう言うことない。

ちないにこのアルバムは全体的にベースが鬼カッコいい。有名な方なのではなかろうか(要調査)

 

そしてなんとこのSumthin’ Sumthin’ 、あのリオン・ウェアとの共作。

リオン・ウェアといえば、マーヴィン・ゲイやマイケル・ジャクソン、ミニー・リパートンなどにも曲を書いたり共作したりという有名なソングライターでありプロデューサー。

 

マイケルのI Want To Be Where You Areのイメージが大きかったせいで、リオンといえば「ザッツ切ないソウル」と思い込んでいた。

それがこのファンキーな仕上がり。これには驚きだ。マックスウェルと組むとこうなるということか。2人の才能とケミストリーに脱帽する。

 

繊細なアーティスト、マックスウェルの今

音を聴いていればある程度想像はつくが、実はマックスウェルという人はかなり繊細な人間性をもっている。

そこがもっとも素敵で大好きなところだが、なにせアルバムづくりに時間がかかる。

そういうところは同世代でともに時代を築いたディアンジェロと似ていて、やや寡作ぎみだ。

 

このデビューアルバム後、2枚のアルバムを発売してからは、8年ほど活動を休止。

活動休止の理由について具体的な発表があったのかなかったのかは、あまり語られていない。

だが復帰後のインタビューで「髪を切って普通に暮らしていた」と話していたことから、業界でやっていくことに疲れてしまった節はあったのではないかと察する。

 

だが何より、戻ってきてくれたということが、嬉しい。

2008年の復帰アルバムは「3部作になる」という宣言のもと発売され、今もまだその3作目の制作にいそしんでいると思われる。

2018年6月ごろから発売を示唆するような発言「NIGHT is coming*」がSNSなどでも見られていて、発売が楽しみで仕方ない。

*次のアルバム・タイトルの略称が「NIGHT」

BET Award 2008 の神パフォーマンス

そんなマックスウェルの、忘れられないパフォーマンスがある。

2008年BETアワード。長いお休みから復活したマックスウェルが、久しぶりに行ったパフォーマンス。

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BETアワードではいつも歴史的なアーティストへの功績をたたえたトリビュートが行われる。

ちなみに2018年はアニータ・ベイカーだった。

そしてマックスウェルの記念すべき復活パフォーマンスはアル・グリーンへのトリビュートとしてSimply Beautiful だった。これがもう本当に素晴らしく、どれだけ見たか聴いたかわからない。

 

始まりから果てしなく甘い声に完全にやられる。

そしてパフォーマンスとして一挙手一投足がすべてカッコいい。

マイケルみたいにターンしちゃうだなんて聞いてなかったし(後から知ったけどかなりのマイケル好きらしい)、その挑発するような自信に満ちたアティチュードに完全に心を奪われた。

2番のサビ前で出てくる伸びやかなファルセットも健在で、もう言うことがなかった。

 

そして何よりこの曲のアレンジが死ぬほど素晴らしい。

間違いなくマックスウェル自身がディレクションしている。

というのは、彼の曲の特徴であるように、一つ一つの楽器やコーラスがめちゃくちゃ立ってるのだ。

 

コーラスもドラムもホーンもギターもオルガンも、ぜんぜん伴奏じゃない。

それぞれの役割がしっかり独立してて、どれも邪魔せず、どれも不可欠。

フロントで踊りながら歌うマックスウェルと、バンドの楽器たちと、客席。

 

すべて一体となって少しずつ少しずつ盛り上がり、エンディングまできたときには文字通り会場じゅうが揃って最高潮に達する。

 

ジャジャジャンッと最後のキメを終わらせ、マイクをポイッと投げて去っていくマックスウェルのカッコいいことカッコいいこと、カッコいいこと!!!

 

本当にこの人は音楽を大切にする人だ。

それがイタイほど伝わってくる音楽だったし、BETならではの会場の熱気も最高だった。

 

当時、私はこのアレンジにハマりにハマってハマって、、、耳コピでトラック作ってレコーディングした。

打ち込みだけでは納得する音が作れずお蔵入りしたが、それでも今でもあのトキメキを忘れることはない。

 

マックスウェルからコメントがつく

先日、奇跡が起こった。

私の書いたインスタのレビュー記事に、マックスウェルが直々にお礼のコメントをくださったのだ。

これについては、自分の音楽キャリアの話と交えて別の記事を書いたのでリンクしておく。