言葉の持つチカラを、改めて教えてくれた一冊。
スピーチライターという仕事。
ある女性がこの職業に出合って、人生が変わるお話。
スピーチライターといえば、
記憶に新しい、オバマ米大統領の広島スピーチ。
天皇陛下の、お言葉。
事実は知らないけれど、
とても優秀なスピーチライターの存在が
見え隠れしているように思った。
そんな風に公人のスピーチを聞くようになったのは、
この本の影響なのかも知れない。
スピーチライターって、
日本ではあまり良いイメージがない気がする。
というか、ゴーストライター的な?
でも実際は、スピーカーが楽するためではなく
より「適切に」伝えるために、存在する。
この本を読むと、それがよく分かる。
物語の中に登場する、スピーチ。
プロのライターが書いたとされるスピーチ文。
脳裏に絵が浮かぶ。
ストーリーが、見える。
流れるようにフィルムが進んでいく。
原田マハさんは元キュレーター。
ずっとアートと共に歩んできた人ゆえに
彼女の言葉の選びかたもとても美しい。
彼女が表現する「アートな」言葉の数々を
堪能できる一冊です。