One Night Stand Sam Cooke Live at The Harlem Square Club ワン・ナイト・スタンド サム・クック ライブ アット・ザ・ハーレム・スクエア・クラブ

One Night Stand Sam Cooke Live at The Harlem Square Club ワン・ナイト・スタンド サム・クック ライブ アット・ザ・ハーレム・スクエア・クラブ

優等生の仮面をはがした、伝説の1枚。

スマートでポップな歌で白人たちからの人気を集めていたサムが実はぜんぜん、真っ黒だったと証明しちゃったライブ・アルバム。

サム・クックと言えば、ルックスの良さとスムースなボーカルで人気だったシンガーです。

ソウル・ミュージックの開拓者として、のちにたくさんのシンガーに大きな影響を与えたサム・クック。

そんな彼が、実は、黒人街のハーレム・スクエア・クラブで行われたライブの音源があった。

そして、そこで唄うサムは、普段のサムからは考えられないような荒々しいシャウトを連発。

あまりの刺激の強さに、生前は発売が自粛されていたらしい!

というものが、死後20年ほど経ってからようやく発売された。

それが、このアルバムです。

あの山下達郎も慌てた

発売された当時、音楽界はけっこうなザワつきだったらしくあの山下達郎さんも、レギュラーのラジオ番組の内容を変更してアルバム案内をしたのだとか。

このライブで感じられる「ブラック」な熱気というのは本当にエネルギッシュで。

良くも悪くも、黒人以外の人種の人には立ち入ることができない側面もあるのですが、それでもやっぱりとてつもなく魅力的です。

私はBETアワードとかでもこういう空気を感じる。やっぱり持って生まれたグルーヴというか「うねり」というか。そういうものがあるんでしょうね。

「立ち入れない」というのは、やはりそれだけ黒人たちが迫害され、ツライ想いをしてきたわけでその痛みを簡単に共有できない何かがある、ということなんですが、今となってはそんな言い方も失礼かもしれませんね。

でも、だからこそ、こういった素晴らしい音楽が生まれたわけで皮肉ながらも、悲劇の歴史を生き抜いてきてくれたブラック・ミュージシャンたちにあらためて感謝せずにはいられません。

私は普段のサム・クックには実はあまり興味がなかったのですが。

このハーレム・スクエアのライブだけはカッコよくてカッコよくてたくさん聴きました。

やっぱり、こうでなきゃ。

サム・クックが本当に考えていたこと

サムがなぜ、こういったブラックらしさを出さなかったかというのは、おそらくは、黒人シンガー生きていくためのコマーシャル戦略だったのだと思いますが。

それでも彼は、自分の中にある「ブラック」な信念を何ひとつ、失うことなく仲間たちのために唄い続けた。

別に身を犠牲にしてるなんて、思ってなかったのでしょうけど。

ただ、自分の信念を曲げたのでなく「触れさせなかった」のかもしれません。

信念というのは、自分の中に持ち続けることが大切だと教えてくれる1枚でもありますね。

 

表サム・クックはこちら。

さて。このライブ・アルバムが「裏サム」だとするならば。

「表サム」とも言えるライブ・アルバムも存在します。

それがこちら。

「サム・クック・アット・ザ・コパ」

この2枚のライブ・アルバムを聴き比べて、結局、どっちも素晴らしいな!と唸る。

というのが、ソウル・マニアになるための登竜門的なアクティビティとなっています。

ぜひお試しくださいませ。